現在の伽藍は100年余り前に能登から鶴見へ移転して以来、先哲の尽力により少しづつ整えられたものであります。 それぞれの伽藍は本山の景観と道場としての機能を形成してきた重要な建造物であります。 今回の地上回廊新築工事と耐震改修工事は、古くから伝わる技法と新しく開発した技術との融合により工事は行われております。
祥雲閣耐震改修工事では、建物全体をジャッキで持ち上げ、腐食の激しい柱の根本と不安定な土台を取り換えることとなりました。 柱や土台などの腐食した部分を取り除き、新たな材料で継ぎ足すこの技法を「根継」といいます。この技法は師匠から弟子へ伝わるものであったとのことです。 この師資相伝ともいえる技法により、腐食の激しい古い木材に真新しい木材が継がれ、新たに大きな屋根を支える柱として生まれ変わりました。 二祖峨山禅師650回大遠忌の記念事業として、地上回廊の新築工事、伽藍の耐震改修工事を行うことは、先哲が思い描いていた總持寺の寺容を未来永劫に残るものとして整え、法孫に伝える我々の重要な責務であるということを改めて強く感じます。
※写真は祥雲閣耐震改修工事、3月下旬のものです。
※最新の情報は、FaceBook を併せてご参照ください。