大祖堂(だいそどう)

大祖堂は、一般的にいわれる開山堂と法堂を兼ねた本堂客殿です。千畳敷の内中外陣と、982坪の地下室を有し、瓦葺形の銅版屋根は53トンに及びます。貫首禅師演法の大道場たるのみならず、諸種法要修行の場とされます。

この殿堂の内陣の奥には「伝灯院」として、高祖大師・太祖大師・二祖国師・五院開基の尊像及び独住禅師のご真牌が奉安されています。


太祖瑩山(けいざん)禅師と高祖道元(どうげん)禅師、二祖・峨山(がさん)禅師をはじめとして、歴代の諸禅師の頂相を安置し、あわせて諸尊牌をも奉祀する靈場であります。孤峰(こほう)禅師筆の扁額「現身説法」瑩山・峨山両尊が、常に真理を説き続け、私たちを導いてくださる祖師方が常在される大道場なのです。

日々、歴代の禅師様が生きているがごとくお仕えして、徳恩に報いております。 明治41年(1908)、能登から現在の横浜鶴見が丘に御移東の官許を得て、移転の建設は着々と進行しました。しかし七堂伽藍の中枢であり、本山の最重要な大祖堂の建立は、幾多の事情から未建設でありました。昭和40年(1965)3月、二祖・峨山禅師の600回大遠忌を記念して、ようやく竣工・落慶しました。普蔵院・太源宗真(たいげんそうしん)をはじめとする妙高庵・通幻寂霊(つうげんじゃくれい)、洞川庵・無端祖環(むたんそかん)、伝法庵・大徹宗令(だいてつそうりょう)、如意庵・実峰良秀(じっぽうりょうしゅう)各禅師の尊像を配し、向かって左側には輪住、独住の諸禅師の尊牌を祀っています。

瑩山禅師が説示された「師檀和合の信念」がひとつに結晶して、巨額な浄財によって大祖堂が建立されました。タタミ千畳敷きの広さのなかで、朝夕の勤行、檀信徒の法要が親しく厳修されています。時に揺るぎない三国(インド、中国、日本)伝燈の大本山の霊場が、不断に脈打ち、現成されているのです。


瑞応殿

祖堂の真下の地階を瑞応殿といいます。春の授戒会や秋の御征忌などの大法要、その他の会合に使用される客殿であります。

ロビーには太祖瑩山禅師の遺偈があります。

「法堂上に鍬を插む人を見る」

(独住第19世・岩本勝俊禅師揮毫の書額)

~法堂において己の心を耕す人を真摯に見極める~