七堂伽藍の重要な堂宇に大僧堂があります。
大僧堂は、雲水僧が集まり来るという意味で「雲堂」、また仏祖を選出する道場の意から「選佛場」、あるいは古木然として兀坐を行じているので「古木堂」などの名称を生んでいます。堂の中央に僧形文殊菩薩像を安置して、衆僧がこれを囲んで、周囲に単(坐状)を設け、 行住坐臥、日夜弁道をする道場です。
現在の大僧堂のかたちは、中国唐代の百丈懐海禅師(749~814)が、その著『百丈古清規』(序のみ現存)を撰述し、禅門の「清規」を制定したところに具体的になったものと考えられます。
朝の坐禅から開枕(就寝)まで、禅林の生活は大僧堂を中心に展開されています。堂内は内堂(内単86)、外堂(外単30)の二つに区別され、あわせて計116名が坐禅できます。
正面玄関の「選佛場」扁額は、独住第3世西有穆山禅師の書。また、露地の扁額「雲堂」は、独住第7世・秋野孝道禅師の書で、僧堂のそれぞれ龍象が歩んだ道を物語っています。