倚松庵(いしょうあん)

紫雲庭の北西の一隅に茶室・倚松庵があります。

四畳台目の小間、席は三畳台目のところにもう一度、台目の寸法で鞘の間を加えた構え。軒には本山独住第1世旃崖奕堂(せんがいえきどう)禅師の遺墨(いぼく)「倚松」の扁額(へんがく)が あります。茶室の設計は京都高山寺(こうざんじ)「遺香庵(いこうあん)」など、多くの茶室を設計した ことで知られている茶人、高橋箒庵です。

倚松庵の特色は、広間の西に小堀遠州好みの卍型腰掛待合があり、 その中央には「感恩鐘 (かんおんしょう)」が吊られています。鐘銘には益田鈍翁・畠山一清(はたけやまいっせい)・ 根津嘉一郎(ねづかいちろう)・仰木魯堂(おおぎろどう)・千宗室など、90余名の数奇者として 知られる錚々(そうそう)たる面々の名があり、昭和初期の茶道の世界を知る上で重要な茶室で あることを物語っています。

(倚松庵入口の横浜市教育委員会の紹介文より抜粋)
※横浜市指定文化財 平成8年(1996)11月5日

倚松庵はお茶会などにご利用いただけます。