十六羅漢(じゅうろくらかん)
本山三門の楼上(二層部分)には、中央に放光(ほうこう)菩薩(地蔵・観音)、そのまわりに十六羅漢像と四天王像をお祀りしている。羅漢(らかん)とは悟りの境地に達した聖者を意味し、十六羅漢は永らく現世に留まり、仏法を護り広めることを誓った十六人の仏弟子のことである。
中国では唐時代以来、羅漢信仰が盛んとなり、ことに禅宗寺院では護法(ごほう)と仏道修行の安泰を願って三門楼上に十六(もしくは五百)羅漢を安置するのが習慣となった。
日本では、鎌倉末期以降、禅の興隆とともにその信仰が広まるが、中でも曹洞宗(そうとうしゅう)では道元(どうげん)禅師が「羅漢供養講式文(らかんくようこうしきもん)」を著したことにより、羅漢を供養する「羅漢講式」が重要視されている。
広目天(こうもくてん)/四天王
本山三門の楼上(二層部分)には、中央に放光(ほうこう)菩薩(地蔵・観音)、そのまわりに十六羅漢像と四天王像をお祀りしている。
四天王とは仏教の世界観の中に存在する須弥山(しゅみせん)で帝釈天(たいしゃくてん)に仕え、その中腹で共に仏法を護持している四王のことである。東方を持国天(じこくてん)、南方を増長天(ぞうちょうてん)、西方を広目天、北方を多聞天(たもんてん)が守護するという。
日本でも早くから信仰され、白鳳時代以降多くの像が制作されている。その姿は甲冑をまとう武将形が一般的で、足下に邪鬼を踏むのが通例である。
迦葉尊者(かしょうそんじゃ)
七堂伽藍の中心に位置する仏殿には、須弥壇(しゅみだん)の中央にご本尊である釈迦如来坐像をお祀りし、その脇侍として右に迦葉尊者・左に阿難尊者(あなんそんじゃ)を配しており一般に釈迦三尊と称している。
迦葉尊者は、インドのバラモン出身で釈迦十大弟子の一人である。仏弟子の中で最も厳格な頭陀行(ずだぎょう)(衣食住について欲望を払い捨てた清浄な修行)を修したので頭陀第一とされる。また、お釈迦さま入滅後、第一の長老として僧団の中心人物となり五百人の長老に呼びかけ、お釈迦さまが随所で説法された教えを編纂するための会議(第一結集)を行い、その教法を正しく伝えた。